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偶然性

偶然性というものにいたく惹かれる。おみくじは大好きだ。格闘技においても偶然性は大事な要素だ。奇跡に近い偶然を人はをゴッドアングルと呼び、姿が見えないなにかに感謝の祈りを捧げる。

昨年から今年にかけて、格闘技・プロレス界で2つの奇跡が起きた。ひとつは昨年のPRIDEヘビー級GP決勝。8月に行われたヒョードルvsノゲイラの一戦は偶然のバッティングにより無効試合になった。しかし、大晦日に真の勝者を決めるべく再戦のはこびとなった。一年に二回もこの二人の試合を見られるなんて奇跡と言わずしてなんと呼ぶべきか。
もうひとつは新日本のリングで行われた小島vs天山の四冠戦。60分闘って時間切れドローになるシナリオだったが、天山が脱水症状でダウン。試合時間59分49秒でKO負けとなった。

つまりは想定外のできごとが功を奏してしまうシーンにとてつもない魅力を感じてしまうのだ。それは人間の力ではとても築くことのできない大自然の造形に感動を覚えるとともに畏怖の気持ちが湧き起こるのに似ている。

ゲームにおいてもそれはある。古くはウィザードリィのアイテム探し。モンスターを倒すとランダムにアイテムが手に入る。運が良ければ一発で入手、運が悪けりゃ一生手にできない。理不尽なようだが、だいたい実際の世の中がそんなものだ。ゲームの世界では、そんな現実を忘れようとするかのように、努力が確実に報われるようになっている。それがリアルかどうかといったらリアルじゃないと思う。ただヴァーチャルな気持ちよさ、努力が報われる爽快さはそこにある。
自分は欲張りなのでゲームにも奇跡を求めてしまう。つまり、素人のパンチが偶然テンプルに直撃しボクサーがKOされるシーン、努力や実力が一瞬で崩れ落ちる悲劇性なんていうものに語りきれない感動を覚えるのだ。

で、本題としては「UFC2004」にはその奇跡がある。どんなにうまくなってもコンピュータにいきなり飛びつき腕ひしぎ十字固めをくらって10秒で負けてみたりする。普通のゲームだと自分とコンピュータの実力が乖離してしまうことが多く(自分が強くなりすぎたり、その逆もある)長期に渡って楽しむことは困難なのだが、このゲームはバランスが良い。
当然、自分がうまくなってくると勝つ確率は高くなるのだが、気を抜くとコロッと負けるし、気を抜かなくても負けちゃったりするのである程度の緊張感を保つことができる。負けると自分の中でライバルストーリー作成マクロが作動し、自動的にリベンジまでの物語が生成される。自分の想像力を刺激し普通のゲームでは至ることのない快楽をもたらす。それは努力で得られるものではなく、思いもよらぬ偶然性が勝手に与えてくれるものだ。