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The New Takeuchi Journal Plus+

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武家の商法

ええ、商売をやっているわけでもないのでへんてこなことを申すかも知れませんがお許しください。

ぼくは買い物が好きで、いろんな店に足を運ぶ回数はかなりのものだと思います。行く店は中古CD屋と古本屋が群を抜いてまして、最近じゃ行かなくなりましたが洋服屋もずいぶん好きです。その次に行くのが本屋と新品を売ってるCD屋だと思うんですけど、ちょっと一言いいたいのはCD屋についてなんです。まあ、どの店も他人事とはいえませんがね。

でかいCD屋の品の置き方というのは、いろいろありますが、ポップ(宣伝用の看板。「何月何日on sale」みたいに書いてあるやつ)をつけて平積みになっているものが一番注目度が高いと思います。そこに置くCDなんですけど、たとえば今でしたら浜崎あゆみがアルバムを出せばそこに置き、モーニング娘。が出したらまた同じように置くわけです。

ばかじゃない?素直にそう思ってしまうわけです。べつにひねくれてそう思うわけではなくて、放っておいても注目を集めるCDをそこまでプッシュしても意味がないと思うわけです。「いやレコード会社の意向で・・・」とか「お客様がもっとも注目してるから・・・」という言い分もありましょう。それでもばかです。ひねらんかい。もうちと頭をつかえんものか。レコード会社は売れれば文句をいわない。

発売日を知らなかったお客さんが並べてあるのを見て、「あ、今日発売したんだ。買おうっと」といって購入することもありえます。しかし、そういうタイプのお客さんは、ムダにCD屋に足を運びません。「なにか良いものないかなあ」というような貪欲な姿勢で臨んでいません。だいたい、欲しいものの目星をつけているのです。

CD屋が真にターゲットにすべきは常によい音を探し求めるタイプのお客さんなのです。試聴機に目を凝らし、おすすめCDのコメントがよかったら手に取ってくれるような人を大切にすべきなのです。だから、今売れてはいないけれどプッシュすれば売れるようなCDを置く方が効果的なのです。

具体的にどんなものがいいかといったら、一曲目がキャッチーなものであること。これが一番重要です。CDというフォーマットはすぐに聞きとばせますから、つかみが大切です。一曲目でなめられると、あとは聞き流されます。それから、シングルヒットした曲が入っているとよろしい。一曲目を聴いて、次はたぶん添えられたコメントを読んでシングルナンバーを聴くと思います。これで「あ、聴いたことある」と思わせれば、グッと買ってくれる率が高まります。

なおも欲張りますと収集欲をそそるものだとまことによろしい。そのCDを買ってくれたあと、他のアルバムとか関連アーチストのアルバムなんぞを聴いてくれますから。

やはり、そういったところで勝負しないとおもしろくないと思うのです。価格と品数だけの勝負になっては、店員の力量も育ちませんし、売れるCDも限られてきて、結局音楽業界自体が衰退していくような気がします。売りたいCDではなく、その気になれば売れるCDを見抜く能力、その魅力をつづり、語る能力が店員に求められると思うのです。他店との差別化を図るというとなんだか陳腐になります。言ってみれば、その通りなのですが、差別化を図るためにはオリジナリティを前面に出して、それが効果的に売り上げに反映しなければなりません。

いま、外資系のレコード屋はこぞってばかになっています。わずかにタワーレコードで配っているフリーペーパー(200ページもあってお得だ。25日に行くと置いてある)はその良心といえまして、購買欲を刺激する素晴らしいもので、読み物としても大概の雑誌よりおもしろいです。

ぼくの言いたいのは、売れると分かっているものを売っても、そこに達成感はあるのか?もっと、良い方法を見つけるため努力をすべきではないのか?おれだったらこうする、ということでして、実際商売をやっている人に「あんたは現場にいないから、勝手なことを言う」と言われたら、ハイ、すいませんね、と舞台を降りるしかないのが情けないところです。

それで、先に挙げた条件を満たすCDを考えたのですが、ローリングストーンズの「BEGGARS BANQUET」なんかはどうでしょう。69年のアルバムですが、一曲目の「悪魔を憐れむ歌」はイントロのパーカッションが印象的ですし、リズムはサンバだからロック好き以外の人にもうけそうです。ブレイク部分はギターの音がかっこいいのでギター少年も大丈夫でしょう。シングルカットされた六曲目「STREET FIGHTING MAN」はおそらくどこかで聴いたことがあるはずです。ストーンズのアルバムはたくさんありますので、はまって全部買ってくれたら御の字です。

以上、武家の商法でございました。